最近では値上げのニュースも度々目にするようになるなど、物価が上がったと実感することが日常生活でも増えてきました。物価が上がる、つまりインフレによって、支出は増え、家計が苦しくなります。このインフレは私たち個人にとっては痛みとして感じることが多いですが、株価にはどのような影響があるでしょうか。
本記事では物価と株価の関係や、インフレ時における資産形成についてわかりやすく説明していきます!
Contents
物価と株価の関係
物価が継続して上昇するインフレによって、株価は影響を受けます。
急激にインフレが起きた場合
急激にインフレが起きた場合には、利上げをして、金融を引き締めます。これはインフレの拡大を防ぐためですが、株価は下落します。なぜなら金利が上昇すると、企業の借入金の支払い利息が増えるなど、企業の収益に悪影響を及ぼすためです。資金がなければ、事業を縮小せざるをえない場合もあり、売上や利益が減るために株価が下落するのです。
長期的、緩やかにインフレをする場合
逆に長期で緩やかにインフレをする場合は、企業の業績拡大などによって株価が上昇しやすいと言われています。良いインフレと呼ばれることもあり、企業が販売価格を上げても売れることで、社員の給料が増え、日常の消費が増え、それが企業の売上に繋がり…と、好循環になるためです。
インフレの背景によって株の動きは変わる
このように同じ物価上昇であっても、どのような背景でインフレが起こっているかによって株価の動きは変わってくるのです。
物価と株価の関係と同時に覚えておかなければいけないことは、物価の上昇はお金の価値の目減りを意味するということです。
物価が上昇、すなわちインフレするとお金の価値が実質的に減ってしまいます。日本銀行もFRBも年率2%のインフレが望ましいとしていますが、その水準が続いた場合、現在の1000万円は5年後約906万円、10年後約820万円の価値にそれぞれ目減りしてしまうと試算されています。
つまり、物価が上昇が続いているなか、現金で持ち続けていると価値が実質的に減ってしまうということです。10年間で約180万円減ってしまうとなると、何か対策を考えないといけませんよね。そこで必要なのがインフレに強い資産形成です。
インフレに強い資産
個人の資産形成を加速させるために、ここではインフレに強い資産として3つ紹介していきます。インフレが起きた場合でも、現金と比べて資産価値を保つことができるので、現金と分散して持っておくといいでしょう。
株式などの有価証券
一番オーソドックスなインフレに強い資産は株式です。長期的なインフレは企業の売り上げや利益を拡大させる要素となり、株価も上昇すると予測できます。そのため、インフレによって現金の価値が目減りする状況でも、株式の伸びによって資産価値を減らすことを防ぎやすいです。
ただし、どの銘柄を買っても伸びるわけではない点には注意が必要です。伸びていく銘柄を見極めるには株式について勉強が不可欠。おすすめの本は「超・臆病者のための株の教科書」です。題名からもわかるとおり、超・臆病者に向けて書かれているので、リスクを回避する方法についても詳しく書かれています。
不動産
次に不動産のような現物資産もインフレに強いです。なぜなら、立地なども関係するものの、不動産そのものに価値があるため、インフレが原因で大きく下がることは考えにくいといえるでしょう。
現金の価値が下がっても、その不動産を手に入れるために必要な現金は多くなるため、資産価値が保たれやすいといえます。
仮想通貨
まだ仮想通貨は価格変動が激しく、しっかりとした資産とは認められていない風潮はあります。しかし仮想通貨で最も有名であるビットコインはあらかじめプログラムで上限発行枚数が定められているため、インフレしないという見解も。
政府の意思でいくらでも増やせるお金と比べると、仮想通貨がインフレ対策として有効と考える人もいます。ただしボラティリティが大きいので、初心者であれば、全資産の数パーセントにとどめておくのがいいでしょう。
まとめ
この記事のポイント
- 物価と株価は関係する
- インフレの状況によって、株価が上がる/下がるどちらのパターンもある
- インフレは現金の価値が目減りするため、インフレに強い資産を持つことが大事
緩やかなインフレは長期的な企業の利益拡大など、株価にとってプラスに働きますが、短期間で急激なインフレが起こると、利上げされてしまい、株価下落の要因となります。インフレは持っているお金の価値が下落しているともいえるので、各自でインフレに強い資産を持っておくことが大事。株式・不動産・仮想通貨どれもインフレ資産時の資産としては強いですが、これから始めるなら少ない資金から手軽にできる株式投資がおすすめ。
ただし、買う株式はしっかり選んだ方がいいでしょう。株式がいくらインフレに強いとはいえ、株価上昇が見込めない銘柄を持ち続けていても、インフレ対策どころかマイナスになってしまう可能性もあります。まずは勉強しながら少額で始めてみるのがおすすめ。
ただ、少額とはいえ、お金が減るのは嫌ですよね。そこで、おすすめの本は徹底的にリスクを回避しながらも儲ける最強の投資法について紹介している「超・臆病者のための株の教科書」。初心者にもわかりやすくイラストを交えて書いてあるので、これから株式投資を始める人でも理解しやすい内容になっています!