株式投資

バリュー株とは?割安と判断する方法・金利上昇に強い理由を徹底解説

  • バリュー株はなぜ金利上昇に強いの?
  • バリュー株とグロース株との違いは?
  • バリュー株を買っているのに全然儲からない……

このような悩みを抱えていませんか?

2022年はバリュー株が来ると注目されていますが、間違ったやり方をしている人は非常に多いです。きちんと理解していないと、利益を得るどころか大損してしまうリスクもあります。

そこで、この記事ではバリュー株の適切なタイミングや銘柄を見極めるにはどうすればいいのか、初心者にもわかりやすく解説します。

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バリュー株を学ぶと投資の基礎的な分析スキルも身に付きますよ!

バリュー株とは?

バリュー株 とは

バリュー株とは、企業価値よりも株価が低い状態(割安)にある銘柄のことです。

財務や業績などから算出される本来の企業価値と比較して、市場で割安な価格がついている銘柄を指します。

そもそも株価は投資家の期待や思惑、人気や受給などさまざまな要因が影響しているので、上がったり下がったりを常に繰り返しています。株価が高すぎたり低すぎたりする場合には、適正な価格に戻ろうとする動きも見られます。

このように、割安のタイミングで購入し、適正な価格に戻ろうとする動きを利用するのがバリュー株投資です。

一方、グロース株とは、投資家の期待や企業の成長性が織り込まれているため、企業価値より株価が高い状態(割高)にある銘柄を指します。

バリュー株の判断材料には、以下3つを用いるのが一般的です。

  • 成長性
  • PER
  • PBR

それぞれ詳しく解説します。

バリュー株の判断材料1:成長性

企業の成長性から、バリュー株であるかを判断する方法です。

バリュー株は、すでに成熟している成長性が低い銘柄(大型株)に多く見られます。成熟企業は、安定的な業績は出しているものの大きな成長は見込めないため、割安で放置されやすいです。

そもそも投資家は、企業の将来の成長率を予測した上で投資しています。株価には投資家の予想や期待がすでに反映されていることになります。

よって、成熟企業は「成長性が期待できない」「目立たず注目されない」などの理由で投資されず割安になるケースが多いのです。

また、バリュー株かどうかは「本来の企業価値」をベースラインとし、それに対する「市場の株価」で決まります。したがって、企業価値の変動が緩やかな成長性の低い銘柄の方が、バリュー株であるかの判断もしやすいです。

一方、グロース株は成長性が高い銘柄(成長株)であり、企業価値の変動が大きいため、割高か割安かの判断はしにくいと言えます。

企業の過去の業績から、横ばいもしくはやや右肩上がりか、それとも急成長しているのかをチェックしましょう。

バリュー株の判断材料2:PER(株価収益率)

PER=Price Earnings Ratio(株価収益率)とは、企業の株価を、その企業のEPS(1株あたり純利益)で割ったものです。

一言でいうと「収益面から見て株価は安いのか、高いのか?」を表す指標です。

PERの計算式

PER=株価÷EPS(1株あたり純利益)

たとえば株価が1,500円で、EPS(1株あたり純利益)が100円の企業は以下のような計算式になります。

1,500円(株価)÷100円(EPS)=15倍

この数値は、1年間の1株あたり純利益に対して、株価が何倍であるかを表しています。言い換えると、株価が1株あたり純利益の何倍まで買われているかの指標とも言えます。

株価が割高または割安であるかの判断材料となり、PERの数値は15倍以上だと割高、15倍未満だと割安と言われるのが一般的です。

しかし、必ずしもこの基準を当てにできるわけではありません。PERが何倍だから割安、割高とはっきりした基準はなく、銘柄や業種、成長率によって水準は大きく異なります。

事業内容が似ている会社同士の比較や、企業の過去の水準との比較に使える指標のひとつであると覚えておきましょう。

PERやEPSについてはこちらの動画もあわせてご覧ください。

バリュー株の判断材料3:PBR

PBR=Price Book-value Ratio(株価純資産倍率)とは、企業の株価を、その企業のBPS(1株あたり純資産)で割ったものです。

一言でいうと「資産面から見て株価は安いのか、高いのか?」を表す指標です。

PBRの計算式

PBR=株価÷BPS(1株あたり純資産)

たとえば株価が1,500円で、BPS(1株あたり純資産)が1,200円の企業は以下のような計算式になります。

1,500円(株価)÷1,200円(BPS)=1.25倍

この数値は、1株あたり純資産に対して、株価が何倍であるかを表しています。言い換えると、株価が1株あたり純資産の何倍まで買われているかの指標とも言えます。

株価が割高または割安であるかの判断材料となり、PBRは1倍以上だと割高、1倍未満だと割安と言われるのが一般的です。

純資産は、企業が倒産しても株主に残る資産を示す側面もあります。よって、目安であるPBR1倍は、倒産したときに株主に投資額がそのまま戻ってくる理論上の基準値にもなります。

しかし、この基準はPERと同じく、業種や成長フェーズによっても大きな差が出ます。

基準値を知っておくことは大切ですが、あくまでも指標のひとつであると捉えておきましょう。

バリュー株が上昇しやすい時期

バリュー株が上昇しやすい時期は、主に以下の2つです。

  • 金利上昇局面
  • 企業業績が良くなったとき

それぞれ、具体的に解説します。

金利上昇局面

金融引き締めによる金利上昇局面では、グロース株よりバリュー株が上昇しやすいとされています。

金利が上がると、企業の資金調達のコストが上がることや、金融機関からの融資審査が厳しくなります。それらが影響し、資金調達が難しくなるベンチャーや中小企業の人気が下がり、影響が少ない大企業の人気が上がりやすくなるのです。

金利上昇局面で人気が下がる企業

  • 体力や信用力の少ないベンチャーや中小企業
  • 利益を出せていない成長企業や赤字企業
    →グロース株(成長株)

金利上昇局面で人気が上がる企業

  • 体力や信用力のある大企業
  • 利益を安定的に出している成熟企業
    →バリュー株(割安株)

以下の図は、理論株価を表す方程式です。

バリュー株 とは

この方程式では、基本的に金利が上がれば株価は下がることが分かります。

また、グロース株は金利上昇に加えて成長率も下がるため、さらに分母が大きくなります。よって、株価が暴落する可能性があり、金利上昇局面ではグロース株の人気が下がりやすいと言えるのです。

企業業績が良くなったとき

決算発表で企業業績が良くなったときも、バリュー株は上昇します。

PER(株価収益率)の数値が下がることや、企業価値が上がるなどの影響によって株価が割安になるためです。

以下の図は、企業の業績が良くなったときの値動きを表しています。

バリュー株 とは

図のように、決算発表で業績が上方修正されると企業価値が跳ね上がり、割安と判断できる株価の基準値も上がります。

株価は企業価値をベースラインに値動きを繰り返しているため、企業業績が良くなると、それだけバリュー株も上がりやすいと言えるのです。

バリュー株のメリットとは

バリュー株 とは

バリュー株の主なメリットは以下の2つです。

  • リスクが低い
  • インカムゲインが期待できる

それぞれ解説します。

リスクが低い

バリュー株のメリットは、リスクが低いことです。

価格変動のことを投資用語でボラティリティーといいますが、バリュー株には業績が安定している成熟株が多く、株価の上がり下がりが緩やかです。このように価格変動が低い銘柄を「ボラティリティーが小さい」と言います。

ボラティリティーが小さい銘柄はリスクが低いため、初心者でもチャレンジしやすいでしょう。

対して、グロース株のような成長株は、株価の上がり下がりが激しいのが特徴です。このような銘柄を「ボラティリティーが大きい」と言い、リスクは高くなります。

インカムゲインが期待できる

インカムゲインが期待できるのも、バリュー株のメリットです。

インカムゲインとは、資産の保有によって得られる利益のことで、配当金や優待などを指します。バリュー株のほとんどが成熟企業のため、配当金や優待などのインカムゲインを充実させているケースが多いです。

インカムゲインは、株式の値動きに左右されずに安定的に利益を得られるのが嬉しいポイントです。ただし、配当金や優待は業績によって減配や無配になる場合があることも知っておきましょう。

バリュー株のデメリット

バリュー株 とは

バリュー株のデメリットは主に以下の2つです。

  • 投資リターンが小さい
  • 株価が回復しない場合がある

それぞれ解説します。

投資リターンが小さい

バリュー株のデメリットは、投資リターンが小さい点です。

バリュー株の多くはすでに成熟している企業のため、これ以上の急激な成長は考えにくいとされています。

よって、株価の値上がりによる大きなリターンを得たい場合は、バリュー株は不向きと言えるでしょう。

株価が回復しない場合がある

株価が回復しない場合があるのも、バリュー株のデメリットです。

割安で放置されているバリュー株には、業績が悪化しているなどの理由が潜んでいることもあります。このように、割安な状態が続くことをバリュートラップと言います。株価が回復せずに損してしまうリスクがあるということです。

割安に見えたとしても早まらずに、業績が悪化していないかなどきちんとリサーチしてから購入しましょう。

また、ベースラインである企業価値が「右肩下がり」の企業は、業績不振などの可能性があるため手を出さない方が安全です。

まとめ:バリュー株は見極めが大切!投資タイミングは分析が必須

この記事のポイント

  • バリュー株は大企業に多く金利の影響が少ない
  • バリュー株は銘柄とタイミングの見極めが大切
  • 優良で割安なバリュー株を見つけて投資しよう

バリュー株に投資するときは、判断材料をそろえてきちんと分析しましょう。バリュー株は業績が安定している大企業に多いですが、判断基準を間違えるとなかなか利益が出ずに苦しむことになります。

とはいえバリュー株は、割安の時期が短いため見極めるのが難しいですよね。バリュー株についてYouTubeでも詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

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