- 言葉は聞いたことあるけど内容がよくわからない
- よく耳にするデイトレードとの違いはなに?
- どうやって勉強すればいいの?
スイングトレードという言葉そのものは耳にしたことがあるけれど、中身が全然わからない・・・という方も多いのではないでしょうか?
投資の世界は難しい言葉が多いので、聞いたことがないカタカナに思わずため息をついた人もいるかもしれません。
本記事ではデイトレードとの違いにも軽く触れながら、スイングトレードの内容やメリット・デメリットを説明します。さらに、チャート分析や銘柄探しの基本的な部分もやさしく解説していきます。
Contents
株式投資のスイングトレードとは
スイングトレードとは2,3日から数週間という短い期間で売買を完結させるトレード方法です。つみたて投資のように中長期的な視点を持って運用するのではなく、短期的な視点で利益確定を行います。
スイングトレードの原則はこれから上がっていくと思われる業種や関連銘柄に投資することです。ただし、好調な業種であっても、全ての企業の株価が上がるわけではないので、慎重な見極めが必要。財務体質が悪い会社に投資すると倒産し、最悪の場合株式が紙クズになってしまうかもしれません。投資銘柄の選定方法についても後ほど説明していきますね。
スイングトレードとデイトレードの違い
スイングトレードとよく比較されるのがデイトレード。みなさんも株式投資と聞いて、複数のパソコン画面を開きながら、1日中トレードしている姿を思い浮かべたことはありませんか?それがまさにデイトレードです。
デイトレードとは1日で売買を完結させる投資手法。取引時間中の値動きで利益がとれる銘柄を予想し、投資します。長くて数週間保有するスイングトレードに対し、デイトレードでは1日で取引を完結させます。この保有期間が大きな違いです。
次にスイングトレードのメリットとデメリットについて説明していきましょう。
スイングトレードのメリット
スイングトレードのメリットを3つ紹介します。
- 忙しくてもできる
- 成果が早く出る
- 資金効率がいい
それぞれ詳しく解説していきますね!
忙しくてもできる
なかなか時間がとれないために新しい投資手法にチャレンジできず、つみたて投資のみにとどまっている人も多いのではないでしょうか。
サラリーマンや主婦のような忙しい人でも、スイングトレードで利益をあげることは十分に可能です。チャートを毎日確認しなければいけませんが、長い時間をかける必要はありません。多くても1日数回でいいので、チャート分析に多くの時間を割かずに済みます。
またデイトレードのように何回も売買を行うタイミングがないため、判断する回数も費やす時間も比較的少ないでしょう。特に初心者のうちは、どうしても決めるまでに時間を費やしてしまうので、判断回数が少ないのもスイングトレードのメリットです。
すでに銘柄を保有しているときは、売りのタイミングを考えておけばいいので、想定する売るラインと損切りするラインを決めておき、それまでは放置していて大丈夫。売買自体にはあまり時間がかからないので、忙しい人でもできますね。
サラリーマンや育児に追われている主婦の人でも実践しやすいトレード手法といえます。
成果が早く出る
株式を保有している期間が長くても数週間なので、すぐに成果がでるのもメリット。
国が推奨しているつみたてNISAなどは中長期の投資が前提のため、利益確定するまで、数年間、あるいは10年以上かかることも珍しくありません。厳密にいえば、いつでも売却して利益確定ができますが、つみたてNISAの場合は非課税期間が20年間あるため、長く運用をした方が合理的なのです。
一方でスイングトレードは早いと数日で成果が出ます。毎月の運用益がプラスかマイナスかはっきり結果が出て、振り返りができるのもメリットです。一つひとつのトレードの運用期間が短いため、マイナスを出してしまっても、振り返って反省をし、何度も試行錯誤ができます。
中長期的な投資の場合は、試行錯誤するチャンスがなかなか訪れないので、その点でも初心者にとってはスイングトレードは取り組みやすい投資手法といえます。
また成果がすぐに出るので、モチベーションを保ちやすい点もメリットですね。
資金効率がいい
スイングトレードは保有期間が比較的短く、少ない元手でも大きな利益を狙えることから資金効率がいい投資方法です。長くても数週間で売買が完結するため、つみたてNISAのように中長期にわたって資金が拘束されることもありません。
つみたてNISAに限らず、中長期の保有が前提の場合、含み損を抱えたまま資金を引き出せず放置しているケースも少なくないでしょう。
短い期間で区切りをつけるので、塩漬けのままで長期保有することもないという点からもスイングトレードは優秀な投資手法といえるでしょう。
スイングトレードのデメリット
次にスイングトレードのデメリットを2つ紹介します。
- 多くの銘柄を持てない
- 中長期の投資と比べて手数料の負担が重い
それぞれ詳しく解説していきますね!
多くの銘柄を持てない
リスクを抑えるためにも株式投資において分散は非常に重要です。投資をやっていれば「卵は一つのカゴに盛るな」という格言を聞いたことがあるでしょう。何かあったときに損失を少なくするために投資先を分散しておきましょうという意味です。
しかし、スイングトレードでは分散しすぎると管理ができなくなるため、初心者のうちは一度に保有する銘柄3つに抑えておくのがいいでしょう。
デイトレードのように1日に何度も株式を売買をすることはありませんが、スイングトレードでも多くの取引が発生します。また売買のタイミングを見計らうためにも、チャートの確認が毎日必要になるので、スイングトレードに慣れるまでは保有銘柄を3つまでにしておくのがおすすめです。
中長期の投資と比べて手数料の負担が重い
取引の回数が増えれば増えるほど、手数料が増えてしまいます。特に、信用取引では利益が得られないトレードの場合でもコストの負担がかさみます。利益が得られないトレードが続いてしまうと手数料だけでマイナスに陥ってしまう可能性もあるでしょう。
一方で、つみたてNISAなどの中長期での投資では手数料が低いことに加え、取引回数も少ないです。
このように中長期の投資に比べてスイングトレードでは売買回数が多いため、手数料が高くなってしまいます。手数料でトータルでマイナスにならないためにも、売買タイミングを見計らい、利益が出るトレードを増やさなければいけません。
スイングトレードで大事なポイント
実際にスイングトレードをやっていくうえで大事なポイントを3つお伝えします。最初からつまづかないためにも始める前に読んでおくといいでしょう。
- 証券会社選び
- チャート分析
- 銘柄の探し方
では、それぞれ解説していきますね!
証券会社選び
まず始めるときに大事になるのが証券会社選びです。使いやすさも重要ですが、取引回数が比較的多いスイングトレードでは手数料も同じくらい大事。
先ほどのデメリットでも紹介しましたが、投資結果に関わらず引かれる手数料の負担は取引回数が多いとばかになりません。
仮に3銘柄を1週間ごとに売買した場合、1か月(4週間で計算)合計で24回売買することになります。それが1年続くと、取引1回の手数料が100円であっても約3万円。投資額が少ない場合では、利益の多くが手数料で消えて行く可能性もあります。
手数料は証券会社によって異なるので、各社のホームページで確認しましょう。
チャート分析
スイングトレードにはチャート分析が最も大切といっても過言ではありません。これから株価が上昇のトレンドに入るのか、あるいは下落に転じるのかを予測できます。利益を出すためにはトレンドの見極めが重要。
まずチャート分析の基礎となる用語から見ていきましょう。
〈ローソク足〉
ローソク足とは、見た目がローソクに似ているからという理由でつけられた単純な呼び名ですが、いろいろな情報が詰め込まれています。
株式市場ではその日の取引がスタートして、最初に付いた価格のことを「始値(はじめね)」、最後についた価格を「終値(おわりね)」と呼びます。通常、株価といったときは「終値」を指します。
そして、取引期間中に付いた最も高い価格を「高値(たかね)」、最も安い価格を「安値(やすね)」と呼びます。この4つの情報がこのローソク足から読み取ることができ、この形状からどのように株価が推移しているかを把握できます。
〈移動平均線〉
過去の終値の平均値を結んでいるのが移動平均線です。このようなチャート図を、一度や二度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
特に先ほど説明したローソク足と相性がよく、ローソク足と移動平均線はセットで使われることが多いです。
この移動平均線は「ある期間の終値の平均値の変化をグラフで表示したもの」でその平均の日数によって〇〇日移動平均線と呼ばれます。
例えば、5日移動平均線は当日を含む過去5日間の終値の平均値を毎日計算して、グラフ上にあらわしたものです。5日移動平均線の他に10日、20日、25日、75日あたりがよく使われます。
ローソク足と移動平均線がチャート分析するための基礎です。移動平均線の大きな特徴は、ローソク足との位置関係によって、トレンドをより細かく分析し、投資すべきタイミングを見極めます。
例えば、ローソク足が20日や25日などの中期の移動平均線より上にあるときは、上昇のトレンドがより強い状態にある、と判断できます。
これらのトレンドを見極める具体的な方法については、こちらの書籍でチャート図なども踏まえて詳しく説明しています。
銘柄の探し方
次に銘柄探しの3つのポイントをお伝えします。
〈出来高が多い〉
これは言い換えると流動性が高いということです。流動性が高い銘柄は買い手が多く、売買の取引量が多いので、いつでも売れる状態を指します。
流動性が低いと、売りたい値段で取引できずに思った以上に低い株価で売却する可能性があります。プラスの場合には利益が減少し、マイナスの場合は損失が膨らむかもしれません。
〈上昇トレンドになっているか〉
「安く買って高く売る」という利益を得るためのセオリーを実践するためにも、これから上がる銘柄を探さなければいけません。スイングトレードでは上昇トレンドに入った銘柄探しが大事。チャート分析による上昇トレンドの探し方はこちらの書籍で詳しく解説しています。
〈信用倍率のチェック〉
信用倍率とは信用取引における「買い方」と「売り方」のマーケットにおける状況を示す指標のことで、投資家が今後のチャートをどのように予測しているかがわかります。
買い残高÷売り残高によって求められ、買い残高が多ければ、株価が上昇に伴っていずれ売られる株が多いと予測されます。強い上昇トレンドがあれば、ここの信用倍率に関わらず上がり続けることもありますが、一つの目安として覚えておくといいでしょう。
まとめ
この記事のポイント
- サラリーマンや主婦のように忙しい人でもスイングトレードはできる
- 手数料の影響を大きく受けるため証券会社選びが大事
- 損しないためにもチャート分析をして上昇トレンドにある銘柄を選ぶことが大事
スイングトレードは誰でも簡単にできるわけではありません。しかし、しっかり勉強をしてチャート分析を身につければ、少ない資金でも十分利益を狙えるでしょう。
銘柄を選ぶうえでもいくつかポイントがありますが、ローソク足や移動平均線について理解し、チャート分析によりトレンドを読むことが最も重要です。
ローソク足や移動平均線の基礎をはじめ、トレンドの読み方についてはこちらの書籍に詳しく書いてあります。ぜひ参考にしてみてください。