- どの株を買ったら配当金をもらえるの?
- いくらもらえるの?
- いつもらえるの?
配当金生活なんて言葉があるように、株式投資をする楽しみの一つとして考えている人も多いのではないでしょうか。
株を持っている人の多くが期待する配当金ですが、金額やもらえるタイミング、回数は会社ごとに異なり、業績が悪いと出ないこともあります。
本記事では配当金の金額やもらえる条件に加え、高配当銘柄の探し方も解説していきますね!
Contents
株式投資でもらえる利益
株式投資で得られる利益は大きく3つあります。
〈売却益〉
株式投資で真っ先に思い浮かぶのが株を手放すときに確定する売却益でしょう。例えば5万円で購入し、8万円で売却したら、差額の3万円が利益になります。(手数料等は度外視)
〈株主優待〉
企業が株主に対して何らかのサービスを提供するものを株主優待といいます。自社の商品や商品券・割引券、自社と全く関係ない優待券やクオカードなどを提供する場合もあります。すべての会社が株主優待を提供しているとは限らないので、購入時に確認しておきましょう。
〈配当金〉
企業が利益の一部を株主に分配するお金が配当金です。仮に同じ株価であったとしても、企業によってもらえる金額は異なり、利益が出ていても支払われない場合もあります。配当金は1株あたりの金額で表わしているケースが多いでがほとんどです。例えば、1株あたりの配当金が5円の場合、1,000株保有していれば、受け取る金額は5,000円です。
株式投資では売却益で利益を狙うケースが多くありますが、株主優待や配当金を目当てにする投資手法も存在します。ただし、株主優待や配当金の内容だけを見て銘柄選定するのは非常に危険です。
例えば、100株所有している会社の配当金が5円あっても、株価が20円下がってしまったら、トータルで1,500円のマイナスになってしまいます。これでは意味がないですよね。
配当金の基礎
配当金についての基本的な知識を3つ説明していきますね。
- もらうために必要なこと
- いつもらえる?
- いくらもらえる?
それでは順番に説明していきます。
配当金をもらうために必要なこと
配当金は 株を購入したタイミングでもらえるわけではなく、「権利確定日」に株を保有している必要があります。この権利確定日に株を保有するためには、権利付き最終日(権利確定日の2営業日前)までに株を購入しなければなりません。厳密にいえば、この権利付き最終日の市場が閉まるときに保有している必要があります。
権利確定日に株を購入しても間に合わないので注意しましょう。権利付き最終日の翌営業日は権利落ち日になり、売却しても配当金は受け取れます。具体的な日付で見てみましょう。3月31日が権利確定日の場合は以下のようになります。
3/29(火) 権利付き最終日(この日の株式市場が閉まるときに保有していればOK)
3/30(水) 権利落ち日(この日に売却しても配当金は受け取れる)
3/31(木) 権利確定日
配当金目当てで権利確定後に売却する人も一定数いるため、権利付き最終日には株価が上昇し、権利落ち日は下がる傾向があります。配当金以上にマイナスになる可能性があるので売買のタイミングには気をつけましょう。
いつもらえる?
配当金がもらえる権利が確定したあとでも、すぐにはもらえません。多くの企業では権利確定後の数か月後に行われる株主総会の決議を行ってから支払われることが多いです。おおむね権利確定から受け取りまでは2~3カ月かかります。
配当月や回数は企業によって異なるので、購入する際に確認しておきましょう。
いくらもらえる?
配当金は企業によって異なり、利益がでていても無配当になることもあります。過去の配当金額は確認できますが、今後も約束されているわけではないので、参考程度に見ておくのがいいでしょう。
配当金額は1株あたりで示され、保有している株数に応じて受け取る金額は変わります。また配当金には株式の売却時と同様に約20%の税金がかかります。
配当金の受け取り方法
次に配当金の受け取り方には4つあります。
- 株主数比例配分方式
- 配当金領収証方式
- 個別銘柄指定方式
- 登録配当金受領口座方式
それぞれ説明していきます。
株主数比例配分方式
これは証券口座で受け取る方法で、あらかじめ選択しておけば、支払い開始日に自動的に入金されます。特に手続き不要で手間をかけずに確実に受け取ることができます。同じ銘柄を複数の証券会社で保有している場合はそれぞれの証券会社に振り込まれます。
配当金領収証方式
指定された金融機関や郵便局で「配当金領収書」と引き換える方式です。銘柄ごとに「配当金領収書」を直接持ち込んで配当金を受領します。
個別銘柄指定方式
銘柄ごとに受け取る金融機関を指定し、配当金を受け取る方式です。届出をした銘柄のみの受け取りになります。
登録配当金受領口座方式
複数の証券口座を含むすべての株式等の配当金を指定した1つの銀行口座で受け取る方式です。
例えば、次のように複数の証券会社で配当金がある銘柄を所有していた場合です。
証券会社A:銘柄C 銘柄D
証券会社B:銘柄C 銘柄D 銘柄F
配当金はそれぞれの証券会社ではなく、指定した銀行に一括入金されます。
高配当株を探すコツ
高配当株を説明するために配当金の仕組みについて説明しましょう。
配当金の原資は企業の利益や過去から蓄積された利益(家計でいうと貯金のようなもの)です。そのため、今まで配当を出していても、業績が悪くなると途中からでなくなったり減額される可能性もあります。
業績などが加味され、利益の一部を株主に還元しているという構図が見えてくると、過去の配当実績や配当率だけで銘柄を決めるのが危険だと理解できるでしょう。
本記事では高配当の銘柄を探すにあたって確認する項目を2点紹介します。
配当性向
配当性向とは税引き後の純利益のうち、配当金の支払いにあてた割合を示す指標のことです。利益の中で配当金を出すのが一般的。配当金が利益を超えている場合は過去利益から出しているので継続性は低いでしょう。
家計で例えるなら、貯金から支出を行っている状態。配当性向が高いと株主への還元が大きいということです。一般的には配当性向は30~40%前後が望ましいといわれています。
高い配当性向が魅力に感じる気持ちはわかりますが、中長期的な視点で期待できるのかを確認しておくと良いでしょう。
銘柄の安定性
利益推移が安定しているかも大事なポイント。過去の業績やビジネスの内容を見て、中長期的に伸びる銘柄であるか、加えて業種全体が伸びているかも確認するといいでしょう。中長期的に利回りが期待できるかどうかも見ておくべきポイントです。
中長期的に期待ができない銘柄や業種の場合、株価そのものが下がってしまう懸念があります。配当金で受け取った金額以上に株価が落ちてしまって、トータルでマイナスになってしまっては元も子もありません。
候補の銘柄をリストアップするには証券会社のスクリーニング機能を使うのがおすすめ。EPS(1株あたり当期利益)、ROE(自己資金利益率)、時価総額などで銘柄を絞ることができますよ。
高配当株の注意点
高配当株は中長期的に保有することが前提の投資手法です。頻繁に売買しないので、銘柄選定でほとんど勝負がつくといっても過言ではありません。損しないためにも以下の3つに注意しましょう。
〈過去配当の確認〉
過去の実績を見て、安定性があるかをしっかり確認しましょう。
〈中長期的な配当が期待できるか〉
今現在で実績が良好であっても将来的にあまり明るくない業種だと、配当の安定性が期待できません。
〈大きな利益は狙えない〉
配当金を目的とする高配当株投資は短期間で大きな利益を狙えません。短期間で成果を求めるなら別の投資手法を考えた方がいいでしょう。
まとめ
この記事のポイント
- 権利付き最終日に保有していれば配当金はもらえる
- もらえる金額は銘柄ごとに異なる
- 高配当銘柄の選定は配当性向や安定性を見て慎重に選ぶ
配当金がある銘柄を権利確定日に保有さえしていればいいので、配当金を受け取ること自体のハードルは高くありません。しかし、配当金を目的にする高配当株投資は中長期での保有が前提の投資手法ということもあり、銘柄選びが重要です。
配当金が高いからという単純な理由で銘柄を選んでしまうと、株価の下落に巻き込まれてトータルでマイナスになりかねません。慎重に銘柄を選びましょう。
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