今回は、『となりの億万長者 -成功を生む7つの法則-』トマス・J・スタンリー著についてご紹介いたしまします。
ビジネス書の多くは投資法や投資に必要なマインドなど、『稼ぎ方』に関する内容が書かれています。確かに稼ぐことも必要ですが、お金持ちになるためには稼ぐだけではなく日々の消費を控える事も必要です。
この本はアメリカの億万長者の消費性向を分析し、彼らのお金の『使い方』をまとめた本です。この本を通じて節約法と節約によって余ったお金の運用法を学びましょう。
Contents
7つの法則
この本を著者はアメリカの億万長者について調べました。ここで言う億万長者とは、資産が100万ドルつまり1億円以上ある人の事です。すると、高収入であるはずの医者全員が億万長者になれるわけではなく、医者よりも年収の低いのに億万長者になった人がいたのです。より細かく分析していくと、億万長者に共通するのは収入ではなく消費に関するルールであることが分かりました。この本には彼らに共通する、消費にまつわる『7つの法則』がまとめられています。
ルール1:倹約すること
豪華な生活をしない
億万長者と聞くと、庭付きの大豪邸に住み、高級車に乗り、休暇には家族で1流ホテルに泊まるというイメージがあります。しかし億万長者は違います。質素な服を着て、一般人と同じ食事をとり、高級ワインには目もくれません。ヨットを買って海に出るといったお金のかかる趣味を持たず、読書をしたり公園で散歩をしたりしています。高収入であるにも関わらず、消費は一般人と同じです。
お金を使い切る会社役員
一方で億万長者になれない高収入の会社役員がいます。彼はプール付きの家に住み、高級時計を身に着け、週末は家族と高級レストランに出かけます。支払いはクレジットカードで済ませ、月末にはカードの支払いに追われてしまいます。給料がほとんど残らず貯金できていません。せっかくの高収入なのに、蓄財ができないのです。
ルール2:時間・エネルギーをうまく使う
普通の人が会社から帰宅後に疲れ果ててお酒を飲んだり、消費活動に励む一方で、億万長者は時間を上手く使います。億万長者は普通の人の2倍の時間、資産運用や家計の見直しに時間を使っています。それも前向きな使い方です。普通の人は少ない給料のやり繰りに悩んで時間を潰してしまいますが、億万長者は資産運用の方針を考えるのに時間を使っています。人生の中で時間は限られています、前向きに使いましょう。
ルール3:普通の車に乗る
中古車に乗る億万長者
億万長者は中古車に乗ります。高級車を避けるだけでなく、新車にも乗りません。新車は自分が乗った瞬間から中古車になってしまう上に、新車に乗ることがお金を稼ぐ手段ではない、というのが彼らの言い分です。ピカピカの高級車に乗るのはあくまでもそれが商売の手段になる時だけです。
高級車に乗るとお金が減る
医者は高級車によく乗ります。しかし高級車の弊害は車の値段だけではありません。税金は高く、燃費も決して良いとは言えないでしょう。そして高級車は生活様式に影響を与えてしまいます。チェーンのレストランに食事しに行こうと思っても、高級車では行きづらいため、高い店を選んでしまうのです。
ルール4:子供を甘やかさない
億万長者は子供を甘やかさない傾向にあります。もちろん子供が研究者や弁護士といった専門職になるために学費の支援はしますが、車を買ってあげたり就職後もお金をあげるというような事はしません。彼らの中には子供を甘やかす人もいますが、子供に資金援助をしてしまうと子供自身がお金の稼ぎ方を学ぶことができず、ずっと親の資金に頼り切りになってしまいます。そうすると親の資産が減り、結局は億万長者から脱落してしまうのです。
ルール5:子供を平等に扱う
こちらもルール4に似た、子供へのお金の使い方にまつわるルールです。子供が男1人、女1人の2人いると仮定します。2人が大人になり男の子が会社員、女の子が専業主婦にった場合、統計上、親は個人の収入が無い専業主婦の娘を援助しがちになります。しかしこれは間違ったやり方です。娘は親の資産に依存するようになり、家計の管理ができなくなります。億万長者は子供を平等に扱います。
ルール6:ビジネスチャンスをつかんでいる
億万長者はビジネスチャンスをつかんでいます。ビジネスチャンスをつかむには世の中の流れを把握し、その流れを利用してお金を儲ける必要があります。例えば弁護士になるだけではお金持ちになれませんが、億万長者になった弁護士はアメリカの移民法が厳しくなる中で移民に特化した弁護士として独立しました。ルールが厳格化される中では移民特化型の弁護士需要が増えると予測したのです。
ルール7:適切な職業を選ぶ
億万長者になれる人は適切な職業を選んでいます。といっても最初に言った通り、医者や弁護士といった高収入の業種が必ずしも億万長者への道ではありません。強いて言うなら事業主が良いでしょう。地味ですが長期的に安定した収入を得るビジネスを選ぶと良いでしょう。億万長者は急にお金を得た訳ではなく、じっくりと蓄財した人が多いです。最近ではIoTやAIといった言葉が人気ですが、実は昔から新規のハイテク業種は長続きしていないというデータがあります。
さいごに
この本を全体的にまとめると、節約しながら正しくお金を使おう、ということになります。いくら稼いでも使ってしまっては資産を築くことができません。この本を参考に、まずは日々の消費の見直しからしてみてはどうでしょうか。
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