「お金持ちになりたい」
きっと誰もが、一度は抱いたことのある思いではないでしょうか。
その思いを理想として心にしまって、現実を生きている方が大半かもしれません。
そんな方に紹介するのが、「臆病者のための億万長者入門」(橘玲氏著)です。
本書は、特別な才能や能力があるわけではない普通の人が「億万長者になるための、現実的な方法」を説いています。
Contents
この世は誰でもお金持ちになれる残酷な世界
本書では大前提として、この世は誰でもお金持ちになれる残酷な世界だと述べています。
どういう意味でしょうか?
億万長者はあなたの身近にいる
億万長者は、私たちのすぐ身近にいます。
スイスの大手金融機関クレディ・スイスが発表した世界富裕層ランキングによれば、日本で1億円以上の資産をもつ人は270万人だそうです。
全人口の約2%なので、50人に1人が億万長者になります。
学校のクラスメイトに1人と考えれば、身近に感じてきますよね。
貧乏は自己責任
この世の中には、億万長者になれる方法があります。
1代にして多くの富を手に入れた人は、世界中にいます。
一昔前は、貧乏は差別や社会的地位によって仕方のないことでした。
でも今では、個人の努力で貧乏を抜け出し、億万長者になれる。
貧乏であることは、誰のせいでもなく、自己責任になってしまいました。
本書では、そのことを「残酷な世界」としています。
お金持ちになるための3つの方法
本書では、お金持ちになるための方法をシンプルに伝えています。
その方法は、以下の3つです。
- 収入を増やす
- 支出を減らす
- 資産を上手に運用する
以上を、お金持ちになるための方程式にすると
総資産=収入−支出+(資産×運用利回り)となります。
収入を増やしたいなら勤労し、支出を減らしたいなら倹約する。
変な金融商品にダマされず、堅実に投資する賢い投資家になればお金持ちになれます。
資産を生み出す資本
資産を生み出すには、元となる資本が必要です。
本書では、私たちが持っている資本を、以下の式で表しています。
総資本=人的資本+金融資本
人的資本とは、働いて稼ぐ力のことです。
金融資本とは、お金を生み出す元となるお金のことです。
お金持ちになるためには、人的資本と金融資本を高める必要があることになります。
人的資本を高める方法
人的資本を高める方法から、紹介します。
人的資本を高める2つの方法
本書にある人的資本を高める方法は、以下の2つで
- 人的資本への投資によって、運用利回りを上げる
- 人的資本の運用期間をできるだけ長くする
です。
つまり資格をとったりスキルを磨いたりして稼ぐ能力を上げることと、長く働くことです。
確実なのは長く働くこと
本書では、長く働くことが確実な方法だとしています。
スキルを磨いたところで、稼げるかわかりません。
でも長く働けば、働いただけ確実にお金を稼げます。
「そんなに働きたくない」と、感じるかもしれません。
本書では北欧を例に、働くことが幸福につながることを説明しています。
世界幸福度ランキング上位の北欧では、老後も社会に貢献することで幸福度が上がっているようです。
日本でも、サラリーマンが退職した後に、うつ病になるというニュースがありますよね。
本書では以上を理由に、働くのは幸せにつながるとしています。
金融資本を高める方法
次に、金融資本を高める方法をまとめていきます。
資産運用する前に大切な4原則
資産運用を始める前に、以下の大切な4つの原則があります。
- 確実に儲かる話はあなたの所にやってこない
- 誰も他人のお金を真剣に考えたりしない
- 誰も本当のことを教えてくれない
- 自分の資産は自分で守るしかない
少し嫌な気持ちになるかもしれません。
でも事実として宝くじや生命保険は、売る側がもうかる仕組みになっています。
金融資本を最適に運用する方法
金融資本を運用するなら、最適な運用をするべきです。
では、どのような運用方法が“最適”なのでしょうか?
本書では、以下の3点にまとめています。
- 投資する資産のリスクを最小化すること
- 投資する資産のリターンを最大化すること
- 資産運用に必要なコストを最小化すること
どうすれば上記の3つを実現できるのかを、次にまとめます。
最適な運用は「上場インデックスファンド世界株式」
本書ですすめる最適な投資は、「上場インデックスファンド世界株式」に投資することです。
「上場インデックスファンド世界株式」とは、世界中の株式市場に投資しているETF(上場投資信託)のことです。
簡単にいうと、世界中の株式市場にまるごと投資するということです。
なぜ「上場インデックスファンド世界株式」がおすすめかというと、コストが低く、ある程度の成長が見込めるからです。
株式投資は、誰も予測がつきません。
本書では、最適な運用の条件である1と2の実現は難しいとしています。
でも株式市場全体を見たときに、ある程度の成長が期待できるのです。
世界の株式市場をみると、成長を続けています。
「予測がつかないなら、世界の株式にまるごと投資する」というのは、投げやりに感じられますが、現実的に資産を増やせる方法なのです。
まとめ:個人投資家は臆病者
個人投資家は、もっともリスク耐性のない投資家です。
なぜなら、資産運用による損失が家計に影響するからです。
リスクが高すぎると、生活できなくなる可能性もあります。
なので本書では、個人投資家は臆病者であり、臆病者であるべきだと述べています。
そんな臆病者が、現実的に億万長者になるための具体的な方法は何か?
それは
- できるだけ長く働くこと
- 「上場インデックスファンド世界株式」に投資すること
なのです。
もっと詳しい投資手法や理論・考え方を知りたい方は、ぜひ本書を手にとって読んでみてください。
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