日本がどんどん貧しくなっている理由の1つに、日本人に根深く蔓延している「労働者の思想」がある。
その現状を食い止めるには、一人ひとりが「投資家の思想」を持つべきだ。
「教養としての投資」(奥野一成氏著)の冒頭は、そのような内容で始まります。
農林中金バリューインベストメンツ株式会社で最高投資責任者を勤める奥野一成さんは、「投資こそが、ビジネスエリートをはじめとする全ての人の教養を高めるのだ」と主張しています。
その真意と、どのような投資をすべきなのかを本書の要約を通じてお伝えします。
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Contents
投資を通じて労働者2.0を目指せ
本書では、働き方は大きく次の3種類に分類できるとしています。
メモ
- 労働者1.0
- 労働者2.0
- 資本家
そして、理想は資本家だが、まずは労働者2.0を目指すことを提案しています。
労働者1.0と資本家
労働者1.0の対極にあるのが、資本家です。
労働者1.0は、自分がどうしたいという意思を持たず、他人の指示にしたがって他人のために働く労働者です。
労働者1.0には、投資するという発想がありません。
一方の資本家は、自分の事業を持ち、他人を働かせています。
資本家は、労働力や事業に投資することで、事業を成長させていきます。
労働者1.0と資本家は、まさに対極にある関係です。
労働者2.0
労働者1.0が他人のために働かされ、資本家が他人を働かせているなら、労働者2.0は自分で働く労働者のことです。
つまり、自分の主体性を持って働いている労働者です。
自ら問題を見つけ出し、その解決のために動く。
ビジネスについての視野が広がってくるのが、労働者2.0です。
投資を通じて労働者2.0を目指す
労働者1.0と資本家の中間に位置する労働者2.0になるには、投資が必要だというのが、本書の主張です。
投資するには、ビジネス全体を見渡す視野や、仮説構築・検証をする思考力が必要です。
その力を養うのに、投資が打ってつけなのです。
また投資をすると、投資先の経営陣に自分のために働いてもらうことにもなります。
投資を通じて力を磨けば、資本家にもなれるのです。
どんどん貧しくなる日本
日本は、世界の中で相対的に貧しくなっています。
アメリカとの個人金融資産を例に見ていきましょう。
1995年の日本の個人金融資産の総額は1182兆円、一方のアメリカは2343兆円でした。
アメリカの方が人口が多いので、この差は妥当でしょう。
しかし2019年9月時点で、日本は1864兆円なのに対し、アメリカは9855兆円です。
日本の伸び率は1.55倍なのに、アメリカの伸び率は4.2倍にもなります。
日本は、圧倒的に伸び悩んでいるのです。
投資をしない日本人
日本がアメリカよりも伸び悩んでいる理由は、日本人が投資をしていないからです。
日本人の資産の内訳は、現預金は53.3%、投資信託3.6%、株式10%です。
アメリカは現預金12.9%、投資信託12%、株式34.3%になっています。
日本の資産の大半が現金なのに対し、アメリカの資産のほとんどは株式・投資信託です。
また両国の株価指数の伸びにも差があります。
S&P500は1988年から、ポイントが11倍に伸びているのに、TOPIXは0.7倍です。
投資文化が根づかない日本は、相対的に貧しくなっているのです。
強靭な構造を持つ会社に長期投資する
では具体的に、どのように投資してけばいいのでしょうか?
本書では、「強靭な構造を持つ会社に長期投資する」ことを提案しています。
強靭な構造を持つ会社の特徴は、次の3つです。
メモ
- 高い付加価値
- 高い参入障壁
- 長期的な潮流
奥野さんは、以上の3つを備えている会社を見つけてはじめて、投資するようですね。
高い付加価値
高い付加価値というのは、「本当に世の中にとって必要か?」ということです。
例えば高度経済成長期の家電メーカーには、高い付加価値がありました。
みなが冷蔵庫や洗濯機、テレビを求めていたからです。
ですが、今は家電メーカーは世界中にあり、日本よりも安くて良質な商品が出てきています。
もはや日本の家電メーカーに、高い付加価値があるとは言えませんね。
高い参入障壁
高い参入障壁は、「どこよりも圧倒的か?」ということです。
例えば、ネズミをモチーフにしたキャラクターで映画やテーマパークを作ってもディズニーに太刀打ちできません。
また、コカコーラは世界中でシェアと知名度があり、コーラで戦うのは難しいでしょう。
他と圧倒的な差をつけた会社には、高い参入障壁があることになります。
長期的な潮流
長期的な潮流とは、「不可逆的と言い切れるもの」です。
つまり、「もう元どおりにはならないと言い切れるもの」です。
長期的な潮流の一例が、「人口動態」。
今の日本では、人口は減少傾向にあって、高齢者が増え子どもが減っています。
このような人口動態も、元どおりに戻りませんよね。
なので長期的な潮流として、高齢者向けの健康や医療系サービスが伸びていく可能性は高いと言えるでしょう。
以上のように、
メモ
- 高い付加価値
- 高い参入障壁
- 長期的な潮流
を備えている会社が強靭な構造を持つ会社となるのです。
長期とは永久のこと
本書での長期とは永久のこと、つまり売らないということです。
本当に永久に持っているわけではないのですが、長く持ち続けることが成果に最もつながるというのが、本書の主張です。
強靭な構造を持つ会社は、長期的な成果を出す可能性がとても高いです。
なので、短期的な相場の動きに惑わされずに持ち続ける。
すると、多くの利益が返ってくるというのが、本書の考えなのです。
まとめ:投資家マインドを養う
投資を実践して、投資家マインドを養うことで活躍できる個人になり、それが豊かな日本につながる。
本書を一言でまとめると、上記のようになります。
ただ、本書が提案する投資手法は、簡単なものではありません。
ただし、主体的な問題意識と行動を続けていけば、必ず力がついていきます。
そのための投資なのです。
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