お金の勉強(マネリテ)

日本人が投資をやらない理由とは?投資と貯金はどちらがいいのか?

2020年2月26日

投資は危険なものだ、と多くの日本人は考えています。
そもそも、なぜ日本人はあまり投資をしないのでしょうか。

この記事では、日本人はなぜ投資をしないのか、貯蓄は最強の投資方法なのか、ということを解説します。

この記事を読めば、今後の資産の形成方法について考えることができます。

 

 

日本人で投資をしている人はどのくらい?

日本銀行から出ている、家計の金融資産構成について欧米と比較した資料があります。

日本の家計では預金の割合が53%ぐらい、投資は15%以下です。
そして、保険は欧米と同程度の構成率です。

一方アメリカでは、現金・預金が13%ほどで、投資が大きな割合を占めています。

 

なぜ日本人は投資をしないのか

では、なぜ日本人は投資ではなく貯金をする方が多いのでしょうか。
この理由を、歴史から紐解いていきます。

江戸時代の日本は、「宵越しの金は持たない」と言う言葉があるように、ほとんど貯金はしていませんでした。
なぜなら、江戸時代は家事が多発していたからです。
お金を蓄えていても、火事が起きると一瞬で吹き飛んでしまうということがあったので、宵越しの金は持たないことがかっこいいと言われていた時代でした。

その後、戦後の時代は、日本のお金が足りないことから、「救国貯蓄運動」という貯蓄を奨励する動きが高まりました。

そしてバブル期になると、投資が盛んに行われるようになりました。
当時の家計の金融資産の内訳は、安全資産の割合が小さくなっています。
この時期は、一時的に投資をする割合は大きくなっていました。

しかし、バブルが崩壊し、投資家は壊滅状態になってしまいました。
投資は危ないというムードになっていったのです。

こうして日本人は、投資は危険だと意識に刷り込まれてきたのです。

もともと日本人は、宵越しの金は持たないといわれるほど、貯蓄の文化はありませんでした。
戦後からは、国が貯蓄を奨励し、投資も儲かるという波に乗ったときに、それが破綻したという過去があります。
ですから、日本人には、貯蓄が良くて投資は危険だという意識が植え付けられているのだと考えられます。

 

貯金は最強の投資法なのか?

では、貯金は最強の投資法なのでしょうか。

貯金という投資法は、基本的には増えていきません。
多少の銀行預金の利回りはあるので微増はしますが、ほぼ横ばいです。

一方で、長期のインデックス投資や高配当株への投資など、長期スパンで投資をする、長期投資という投資方法があります。
この場合の利回りは、年に約2〜3%、良くて4〜5%ほどです。
とはいえ、資産は徐々に増えていきます。

投資で大きく稼ぐ人は、デイトレードや短期トレードなどの投機をしている方たちです。
投資というより、為替取引やFXなどの株の売買で利益を取っていく方法です。
投機で勝つ人は、資産が倍になるくらい増えていきますが、勝てる人は5%ほどであるとも言われています。
つまり、95%は負けるということです。

ですから、投機のような方法でどん底に落ちる人がいることも踏まえて総合的に考えると、貯金はそんなに悪い投資法ではないと言うこともできます。

 

貯金は割りがいいのか?

では、貯金は本当に割りがいいのでしょうか。

正確に言うと、貯金とは郵便貯金にあたるため、銀行に預けるのは預金と言います。

お金を銀行に預けると、大きく2パターンに流れます。
国債を通して政府でお金が使われるか、銀行融資によって民間企業にお金が回る流れです。

今は国債の利回りもほとんど0ですし、民間企業の融資も利回りは小さい状況です。
よって、私たちに入ってくる利回りも、ほとんど0に近い状態です。
ですから、銀行預金では儲からないという考え方になります。

しかし、実は民間企業では、内部留保というお金をたくさん抱えています。
民間企業が儲かれば、労働者の賃金が向上する形で還元されても良いように思いますが、賃金は向上していません。
法人企業統計を見ても、企業の内部留保は増えていますが、人件費は横ばいになっています。
企業儲はかっていながら、給料上げないという実態があるのです。

つまり、私たちが貯金したお金は有効に使われているものの、賃金としては還元されていないということです。

 

企業が儲けたお金はどこにいくのか

では、企業が儲けたお金は、どこにいくのでしょうか。
その多くは、株主に回っています。
利益余剰金のうち平均40%は株主に配当されています。

法人企業統計によると、利益剰余金に対する配当金の割合は、平成30年で44%ほどです。
今の企業は儲かっていて、年々増えているのです。

一方労働者の給料は上がらず、預金の利回りもない状態です。

 

株主の多くは海外?

では、還元率の高い株主はどこにいるのでしょうか。

株主の30%は、外国法人等です。
つまり、企業が儲けたお金の30%は、海外に流れているということです。

その他の株主として、日本銀行があります。
日本銀行は今、ETFを通じてたくさん株を買い、多くの会社の株主になっていっています。
貯金したお金で、企業が利益を出して、それが日銀に渡っているという流れです。

日経新聞によると、2019年の3月末時点で、日本銀行のETFの保有残高は28兆円です。
2020年の11月末には40兆円を超えると予想されています。
2019年の3月時点でも、東証1部の時価総額の約5%程度を日本銀行が保有しいているということになります。
しかし、東証1部の中の5%ですので、全体の民間企業からすると1〜2%のレベルかもしれません。

また、年金GPIFなどで年金の利益になったものは、将来的には私たちに返ってくることにはなります。

 

今後どのように資産形成していくべきか

預金という投資方法では、お金を出している割に給料として還元されてこないという状態が起きています。
貯金をしても、利益として戻ってきませんから、長期投資する人にお金を吸い取られて損をしていることになります。
さらに言えば、預金は海外にお金を渡していることになると考えることもできます。

別のところで儲かっている人がいるということを考えると、預金ばかりをするのではなく、長期投資をする株主になった方がいいと言えます。

投機はリスクが高い方法ですので、初心者には難しいです。
やるのであれば、きちんと勉強してから始めることをおすすめします。

ですから、わたしたちも長期投資をする方にまわりたいところです。
まずは、インデックス投資や積立投資や積立NISAなどから始めるのが良いのでしょう。

あなたも、今後の資産形成を見直してみてはいかがでしょうか。

 

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