セルインメイ(Sell in May)という言葉を投資をやっている人なら聞いたことあるのはないでしょうか?
これは、相場の格言やアノマリーのひとつとして言われているものです。
直訳すると、
「株は5月に売れ!」
です。
セルインメイのアノマリーは、どういう意味なのか?
2020年のセルインメイは当てはまるのか検証してみました!
Contents
アノマリーとは?
そもそも、株式投資や相場におけるアノマリーとはどういう意味なのか?
効率的市場仮説では説明のつかない証券価格の変則性。明確な理論や根拠があるわけではないが当たっているかもしれないとされる相場の経験則や事象である場合が多い。英語表記はAnomaly。
たとえば、「1月効果」、「5月に売り逃げろ」(Sell in May and go away)、「曜日効果」、「モメンタム効果」、「リターン・リバーサル」、「低PER効果」、「小型株効果」などがある。
ハッキリ言って、説明みてもよくわからない…
そうなんです、よくわかってないことなんですね。
なぜなのかわからない、明確な理屈では説明できないけど、
なんか相場の動きに関係してそうな法則のことなんですね。
だから、当たるかもしれないけど、当たらないかもしれない。
信じるか信じないかはあなた次第!
みたいなやつです。
セルインメイ(Sell in May)とは
セルインメイはアメリカ市場で最初に言われた法則だそうです。
意味は読んで字のごとく
「株は5月に売れ!」
このアノマリーの全文は
「Sell in May,and go away; don’t come back until St Leger day.」
直訳すると「株は5月に売って、9月の第2土曜日まで株式市場に戻ってきてはならない」となります。
要は、5月に株売って、あとは夏休みにしましょうという感じですね。
なので、セルインメイという言葉から、市場では5月から株価は下がるという感じで認識されています。
なぜ、5月に株価がさがるのか?
セルインメイと言われるようになったのはなぜなのか?
これには諸説あり、明確な理由はわかりません。
なので、アノマリーと言われるのでしょうけど…
ファンドの決算
5月に株価下がる理由のひとつにファンドの決算との関係があると言われています。
ファンドの決算が6月と12月にあるので、その前にファンドマネージャーたちが自分の報酬を確定するために、5月ころに株を売るという説があります。
そして、5月に株売ったファンドマネージャーは長い夏休みにはいるのだとか…
米国税制度の還付金
米国の税制で1月あたりから総合課税の還付があり、この還付金が例年20~30兆円の規模があるそうです。
この20~30兆円が、また株式市場に投入されるため、5月くらいまでは株が買われる傾向があると言われてます。
アメリカ市場は、お金が入ればすぐに投資するんですよね。日本人とは違いますよね…
セルインメイは日経市場でも有効なのか検証
セルインメイのアノマリーが日経市場でも有効なのか検証をしてみました。
検証方法はこちら
セルインメイ検証
- 過去20年間の日経平均データを利用
- 5月→9月の株価の変化/変化率を調査
- 10月→4月の株価の変化/変化率を調査
5月に株を売って、9月までかえってくるなということは、
10月から株を買って4月まで保有した場合のパフォーマンスがどうなのか検証してみました。
5月→9月の日経平均株価パフォーマンス(過去20年間)
5月から9月の日経平均のパフォーマンスは、セルインメイのアノマリーが正しければマイナスパフォーマンスになることが想定されますが、意外に当たってますね。
5月-9月のパフォーマンス
勝敗:7勝13敗
平均リターン -2.0%
20年間のうち、7回は上昇して、13回は下落でした。
平均リターンも-2.0%なので、20年間の平均ではセルインメイの傾向が見えてますね。
10月→4月の日経平均株価パフォーマンス(過去20年間)
一方で、10月に株式市場にかえってきてからのパフォーマンスはどうなのでしょうか?
10月-4月のパフォーマンス
勝敗:12勝8敗
平均リターン 5.0%
20年間の平均では、10月から4月のパフォーマンスは上昇12回、下落が8回で、平均リターンは5.0%と上昇が優位でした。
これらの結果を踏まえる、やはり5月に株を売って10月から株を買うとパフォーマンスがいいという結果になりました。
株価変化率を見てみると、
5月→9月の動きは平均的にマイナスパフォーマンスとなっておりますが、-10%未満の動きになる年が多い傾向です。
一方で、10月→4月の株価変化率を見ると、10%以上のパフォーマンスとなることが多いです。
以上をふまえると、株価は5月から下がるというよりは、
「5月から長い夏休みにはいります!(停滞)」
「秋になった相場を始めます!(上昇)」
という感じなんでしょうね。
2020年5月の日経平均株価はどうなるのか?
2020年の5月で注目すべきは、
2020年3月期本決算の決算発表があります!
決算発表は、4月下旬から始まり、5月中旬には決算発表がピークを迎えます。
2020年の5月の決算発表は、感染病の影響や緊急事態宣言の影響があり、各企業の決算は大変厳しいことになると想定されます。
また、2020年度の収益予想もおそらく未定でだしてくる企業も多いのではないかと思います。
そうなると、今後の株価の不透明感から売られる可能性はかなり高いです。
なので、本決算の発表をトリガーに売られ始め2番底への向かうシナリオもありえますね。
2020年4月、5月の決算スケジュール
3月本決算企業の決算報告は5月11日からの週に集中してますね。
GW明けくらいから相場が反応し始めるのか?
4月末にもそれなりの企業数があるので、GW前の手仕舞いをきっかけにポジション調整がはいるのかもしれませんね。
【追記】感染症の影響で、決算発表日を延期する企業が225社ほどあるそうです(2020年4月24日時点)
全体の1割程度なので大勢に影響はないかもしれません。
気にしておくべき要素 SQ日 5月8日
もうひとつ気になるポイントは、5月のマイナーSQ日です。(2020年5月8日)
SQ日というのは、先物やオプション取引の清算日であり、SQ日のSQ価格によって、先物取引やオプション取引が終了いたします。
各証券会社や機関投資家は、SQ日にめがけて相場を上げたり、下げたりすることが多いです。
2020年3月の暴落も3月のメジャーSQに向けて暴落していったと言われています。
2020年4月末時点では、各証券会社や機関投資家は日経平均20000円以上のコールオプションを買っている傾向があります。
簡単に言うと、5月8日までに日経平均が20000円以上あれば儲かるという商品を買っているということです。
なので、なんとしてでも日経平均20000円以上にするために買い支えることになるかもしれません。
怖いのはSQが終わった5月8日以降です。
それまで、買い支える必要があったものがなくなります。
そうなると、一気に売られ始めて株価が下落を始める可能性もあります。
5月8日のSQまでの動きも要チェックですね。
今後の日経平均の株価シナリオ想定(2020年4月時点)
2020年4月末時点の日経平均株価は、3月の暴落後にフィボナッチの38.2%水準まで戻したところでもみ合っています。
このまま、日柄が経つと決算シーズンに突入するので、下落し始める可能性が高くなってきています。
その後の下落後は、前の安値水準16000円を割るのか、そこからもう一回反発してW底を形成するのかがポイントになってきますね。
今年のセルインメイについては、かなり気をつけたほうがいいでしょうね。
ちなみに、5月の暴落に注意したい別のアノマリーとして金星逆行もあります↓↓↓
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